2020年1月号(高1)「3つのバツ(×)は絶対にしないように!」
※解説やもっと知ってほしいことなどは、ドラッグレターの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
1つめの× 他人の医薬品を使う、自分の医薬品をあげる
特に医師から処方される医療用医薬品は、その人のその時の症状のために処方されたもので、他の人が使えるものではありません。実際に、奥さんが病院でもらった風邪薬の残りをご主人が飲み、アレルギーを起こして重体になった事故もありました。
他人の医薬品を使う、自分の医薬品をあげるのは絶対にやめましょう。目薬や塗り薬、貼り薬などの外用薬も同様です。
2つめの× 自分の判断で、医薬品の量を増やしたり減らしたりする
医薬品の飲む量が多かったり少なかったり、また飲む間隔が短かったり長かったりすると、「血液に溶けている医薬品の量」が変わります。
・飲む量が多い、飲む間隔が短い → 「血液に溶けている医薬品の量」が多くなり、効果が強く現れて危険です。副作用も現れやすくなり危険です。
・飲む量が少ない、飲む間隔が長い →「血液に溶けている医薬品の量」が少なくなり、効果が得られず、病気が治りにくくなります。
3つめの× 使用期限の切れた医薬品を使用、使い切りタイプの医薬品を再使用
期限切れ医薬品は成分が分解している可能性があり、体に悪影響を及ぼすことがあるため使用できません。また、小児に処方された医療用医薬品は体重に合わせて量が調節されているため、時間が経つと体重が変わって医薬品の量が合わなくなるため使用できないという理由もあります。
使い切りタイプの医薬品(特に液状やクリーム状のもの)は、使用によって医薬品が汚染されやすく、また長持ちしないため再使用は不衛生です。目薬を例に説明すると、目薬は上手に使用しても使うたびに容器の中に雑菌が入り、液状の目薬に混ざります。さらに目薬が「使い切り目薬」の場合、雑菌が増えないようにするための保存剤(防腐剤(ぼうふざい)とも言われます)が入っていません。そのため目薬に混ざった雑菌がどんどん増えてしまい、目薬と一緒に大量の雑菌も目に入れることになってしまうのです。(使いきりでない通常の目薬は保存剤が入っているため、開封後、約1ヶ月もちます)
医療用医薬品は、処方されたときに、きちんと飲み切る必要がある医薬品です。飲み切らずに余ってしまった医療用医薬品は捨てましょう。痛み止めなどの頓服薬(とんぷくやく:症状がある時だけ使用する医薬品)も、処方されて1年以上経ったものは捨てましょう。医薬品の使用期限がいつまでなのか分からないなどの場合は、薬剤師に聞いてください。