2022年3月号(中2)テレビなどの健康情報はうのみにしないで!
※解説やもっと知ってほしいことなどは、おくすりナビの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
皆さんもテレビなどで「▲▲を食べるだけでやせる!」、「★★は○○に効果がある!」などと表現され、ある食べ物やその成分の効果を検証した結果が紹介されたりした番組を見たことはありませんか?
テレビで放送されると、翌日からその食べ物が爆発的に売れ、スーパーなどで売り切れ続出!なんてことも・・・。
でもちょっと待ってください! それって本当に信用してもよい情報なのでしょうか?
それは正しい比較でしょうか?
たとえば、あなたがテレビ番組の「▲▲を食べてやせる!」という企画に選ばれ、参加したとします。
そして1週間その▲▲を食べて、やせたかどうかを実験前と実験後の体重などで比較するのですが・・・。
番組に選ばれたこと」が心理的に影響して、「良い結果が出るように!」と無意識にいつも食べているおやつを控えてしまったり、いつもはエレベーターを使うのに実験期間は階段を使っているかもしれません。
それが結果的に体重を減らしてしまっているかもしれないのです。
これでは、「▲▲を食べて痩せた!」「▲▲は効果があった!」とは言えませんよね。
▲▲の効果を科学的に評価するためには、「▲▲を食べたグループ」と「▲▲を食べないグループ」に分け、心理的な影響を除くために自分がどちらのグループなのかを知らされない状態で実験する、実験中は生活の仕方を変えないなど、科学的な手順をふむ必要があります。
人間にも当てはまるの?
「★★をマウス(ねずみ)に1か月食べさせたところ、体脂肪が減少した!」と紹介されていたとします。確かにマウスでは効果がみられました。
しかし、それをそのまま人間に当てはめていいのでしょうか?
マウスでの実験結果と同じ効果を期待しようと思えば、★★を人間にとってはとんでもないくらい多い量を毎日摂取しなければならない・・・なんてことがよくあります。
むしろ栄養バランスが悪くなり体調を崩してしまうということも考えられます。
動物を使った実験では良い結果が出たとしても、それをそのまま人間にあてはめることはできないのです。
こんな表現にも注意!
「効果抜群」「驚きの効果」「万能」「即効性」「特許取得」「有名タレント◆◆も愛用」「本人の感想です」などは注目を集めるために使われることが多い表現です。
効果や信頼性を保証しているものではありません。
健康情報を読み解くには科学的な知識が必要です。
医薬品や健康について分からないことや疑問に思ったことがあれば、自分で判断せず、保健室の先生や薬剤師など専門家に相談しましょう!