2023年8月号(高3)インターネットで医薬品を購入する際の3つのポイント
※解説やもっと知ってほしいことなどは、ドラッグレターの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
本当は医薬品の購入は対面が一番!
インターネットで医薬品を購入しようとする際、症状や必要な情報を正しく・詳しく薬剤師や登録販売者に伝えられますか?
症状など大事な情報を正しく・詳しく伝えられないと、薬剤師や登録販売者は購入者が購入しようとする医薬品が購入者の症状などに合っているか判断できません。
また、薬剤師や登録販売者は購入者と対面の場合、購入者の声の質(鼻声、声がれなど)、呼吸状態(口で息をしているか、呼吸数、息切れなど)、息のにおい、表情や顔色、発汗の有無、歩行状態、雰囲気、姿勢の状態やふらつきの有無、しゃべり方や会話内容が理路整然としているか、迅速な応答ができているか、アイコンタクトの状況なども観察して、購入者に医薬品を販売してよいか判断しています。
インターネットでは、薬剤師や登録販売者は購入者を直接観察することができません。
テレビ電話などで薬剤師や登録販売者とやり取りができる場合は多少の観察はできますが、対面に比べると観察できることは少なくなります。
そのため、医薬品の購入は対面が一番なのです。医薬品のインターネット購入は、やむを得ない場合のみとしましょう。
インターネットでの医薬品購入先と流れ
<購入先>
厚生労働省の「一般用医薬品の販売サイト一覧」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/hanbailist/)に掲載されている薬局や薬店(ドラッグストア)から購入しましょう。
<流れ>
(1)状態確認
購入者は、注文する際には、サイト上の様式やメールで、性別、年齢、症状、アレルギーの有無など、必要な情報を送ります。
(2)情報提供
薬剤師・登録販売者は、購入者に対して、医薬品の用法・用量、服用上の留意点、服用後に注意すべき事項、再質問・相談の有無など、使用者の状態などに応じた個別の情報提供を、メールなどを通じて行います。
(3)返信(情報を理解したことの確認)
購入者は、薬剤師・登録販売者から提供された情報を確認し、必要なら、メールや電話などにより疑問に思うことなどの確認や相談を行います。
その後、提供された情報を理解したことや再質問・相談がないことをメールなどで連絡します。
(4)販売
薬剤師・登録販売者は、提供した情報を購入者が理解したかどうか確認した後、商品を販売(発送)します。
引用:
内閣府大臣官房政府広報室 医薬品のネット販売を安心して利用するために(一部改変)(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201405/1.html)
大手通販サイトについて
大手通販サイトからも医薬品を購入できることがあります。
これは一般用医薬品の販売を許可された薬局・薬店が出品しているからです。
安全に医薬品を購入するために出品者情報から薬局をチェックし、その薬局・薬店が厚生労働省の「一般用医薬品の販売サイト一覧」に掲載されているか確認してから購入しましょう。
海外サイトについて
日本国内では、正規に流通している医薬品や化粧品、医療機器などは、医薬品医療機器等法という法律にもとづいて品質、有効性および安全性の確認がなされています。
しかし、個人輸入される外国製品では、そのような確認はなされていません。
また、日本国内で医薬品医療機器等法を遵守して販売されている医薬品の場合、適切に使用したにもかかわらず重大な健康被害が生じた場合は救済される公的制度(医薬品副作用被害救済制度)があります。
しかし、個人輸入された医薬品による健康被害については救済対象となりません。
以上のようなリスクがあることから、個人で医薬品を海外から輸入し、使用することは止めましょう。
厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html