2023年10月号(高1)ノロウイルスへの身近な対策
※解説やもっと知ってほしいことなどは、ドラッグレターの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
ノロウイルスに感染すると、24~48時間の潜伏期間を経て発症します。
ノロウイルスを退治できる抗ウイルス薬はなく、発症したら対処療法(水分や栄養補給、整腸剤の投与など)が行われます。
ノロウイルスを体内に入れないために
こまめな手洗いが有効です。
手洗いは外から帰ってきた時、調理を行う前、食事の前、トイレの後には必ず行い、手を洗った後は清潔なタオルやペーパータオルで手を拭きましょう。
しっかり手洗いできるように、普段から指や手首にアクセサリーは付けず、指の爪は短くしておくことが大切です。
石けん自体はノロウイルスを殺菌できませんが、石けんを使って手を洗うことで皮脂が除去され、手がベタベタしなくなってノロウイルスが手指から剥がれやすくなります。
外から家の中に、できるだけノロウイルスを持ち込まないようにすることも大切です。
裾の長いズボンでトイレに入ったり、特にトイレ内やトイレの出入口付近に荷物を置いたりすると、衣服や荷物にノロウイルスが付着してしまいます。
さらに帰宅後、ウイルスの付着した部分がキッチンや食卓に接すると、食事前に手洗いをしていたとしても、食卓などに触れた手指にノロウイルスが付着して体内に入りやすくなります。
ノロウイルスを殺菌する方法
ノロウイルスは次亜塩素酸ナトリウム液(家庭用塩素系漂白剤 キッチンハイターなど)で殺菌します。
市販の手指消毒剤や消毒用エタノールでは殺菌できません。
<自宅にノロウイルス感染者がいる場合の対処> (ペットボトルのキャップ1杯=約5 mLです)
●便座、トイレのドアノブ、水道の蛇口、調理器具など
家庭用塩素系漂白剤を250倍に薄めた液(0.02%(200 ppm))(※1)で拭く、あるいは85℃以上の熱湯で1分以上加熱する。
(※1 500 mLのペットボトルに水を入れ、家庭用塩素系漂白剤(濃度約5%)を 2 mL(ペットボトルのキャップ1/2杯分)混ぜる)
●吐いたものや便が付着した床
使い捨てのエプロン、マスク、手袋を着用して処理します。
吐いたものや便の中のウイルスが飛び散らないように、ペーパータオルなどで静かに拭き取ります。
拭き取った後は、家庭用塩素系漂白剤を250倍に薄めた液(※1)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きします。
拭き取りに使用したペーパータオルなどは、ビニール袋に密閉して廃棄します。
この際、ビニール袋の中のペーパータオルなどが十分に浸るよう、家庭用塩素系漂白剤を50倍に薄めた液(0.1%(1,000 ppm))(※2)を入れるとよいでしょう。
(※2 500 mLのペットボトルに水を入れ、家庭用塩素系漂白剤 (濃度約5%)を10 mL(ペットボトルのキャップ2杯分)混ぜる)
注意:次亜塩素酸ナトリウム液は金属腐食性(金属をさびさせる作用)があるため、滅菌後の薬剤の拭き取りは十分に行ってください。
また次亜塩素酸ナトリウム液を衣類に使用すると色落ちします。
参考:厚生労働省HP『ノロウイルスに関するQ&A』
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html)