2023年12月号(高2)ニキビができたとき、どうしてる?
※解説やもっと知ってほしいことなどは、ドラッグレターの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
ニキビとは
思春期以降、顔や背中などに見られる皮ふの毛穴の病気です。
過剰に分泌された皮脂が毛穴の中にたまることで小さなニキビができ、アクネ菌が増えて皮ふが炎症を起こし、さらに悪化して化膿することもあります。
皮脂が毛穴の中にたまった状態を「コメド(面ぽう)」と言い、白ニキビや黒ニキビがこれに該当します。赤ニキビや黄ニキビでは皮ふが炎症を起こしており、黄ニキビでは化膿もしています。
<ニキビができる原因>
・思春期に性ホルモンの分泌が活発になったり、生活習慣の乱れやストレスなどにより性ホルモンが過剰になったりすることで皮脂がたくさん分泌される。
・皮ふの生成から剥がれ落ちるまでのサイクルが乱れ、毛穴が固くなってつまることで皮脂がたまる。
・コメドの中で増えたアクネ菌に対抗するために免疫が働き、炎症が起こる。
ニキビができたとき、どうすればいい?
①放置しない
できて直ぐのニキビ(コメド)を放置してしまうと、皮脂やアクネ菌が増えて炎症を起こし、化膿したニキビがどんどん増えていきます。
②ニキビをつぶさない
絶対につぶしてはいけません。
ニキビをつぶすと炎症が悪化し、周囲に広がる可能性があります。さらにニキビ痕(あと)が残ってしまうことがあります。
また触るのもNGです。触るとニキビに刺激を与えてしまい、炎症が悪化することがあります。
③市販薬を使用する
コメドや、軽い炎症を起こしたニキビであれば市販薬でも一定の効果が得られます。
ニキビの種類や症状によって効果的な市販薬は違うため、市販薬を選ぶ際は薬剤師に相談してください。
しかし、種類や症状に合わせて選んだ市販薬を使用していてもなかなか治らないときは、市販薬が合っていないか、そのニキビに対して弱いことが考えられるため、皮ふ科医に相談することをお勧めします。
④皮ふ科を受診する
直ぐにニキビを治したいなら皮ふ科の受診をお勧めします。
毛穴のつまりを改善したり、炎症を抑えたりする、市販薬よりも効果の高い医療用医薬品を処方してもらえます。
ニキビの治療では、炎症を起こす前のコメドの段階でしっかり治療していくことで、ニキビのできにくい皮ふになっていきます。
そのためには3ヶ月間の通院は必要と言われています。ニキビができやすい人は皮ふ科医に相談してみましょう。
ニキビの予防は?
ニキビができてしまったときの対処ももちろん重要ですが、予防していくことも重要です。
①スキンケア
顔などの皮ふの汚れを落とし、清潔を保つようにします。
汚れを落とす際は、石けんをよく泡立てて強くこすらずに優しく洗いましょう。
神経質になって一日に何度も顔などを洗ったり、ゴシゴシとこするように洗ったりすると必要な水分や皮脂も洗い流してしまい、角質層を痛めて皮ふのバリア機能が低下してしまいます。
バリア機能が低下すると皮ふへの刺激が大きくなり、ニキビを悪化させてしてしまうことにつながります。洗顔の場合、1日2回までとしましょう。
②食生活
炭水化物、タンパク質、ミネラル、ビタミンをバランスよく、さらには決まった時間に食べることが大切です。
なかでもビタミンB2、B6は脂質代謝を整える効果があります。
(B2を多く含む食材:納豆、牛乳、卵、ブロッコリー、しろさけ、うなぎ、しじみ、のり、干ししいたけ、アーモンド など。B6を多く含む食材:納豆、ニンニク、じゃがいも、マグロ、かつお、あじ、さば、鶏肉、バナナ、ごま など)
病気や食事制限などによりB2、B6の摂取が少ない場合は、サプリメントで補うことも方法の一つです。
参考:maruhoホームページ〔ニキビ一緒に治そうProject〕、今日の治療指針2023年版(医学書院)