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2024年7月号(高1)違法薬物の誘いはきっぱり断ろう!

※解説やもっと知ってほしいことなどは、ドラッグレターの下に書いてあります。

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解説やもっと知ってほしいことなど

こんな調査結果も!「高校生36%が違法薬物を入手できる!?」

古い調査ですが、2015年11月に京都の小学生(6年)が大麻を吸っていたとの衝撃的な事件を機に、2015年11月~12月にかけて、京都府警が府内18校の高校生(7,860人)を対象に薬物に関する意識調査を行ったところ、全体の36%が「違法薬物を入手できると思う」と回答、入手方法では「インターネット」が最も多く、次いで「密売人・密売所」でした。また、違法薬物を使用することに「興味がある」と回答した高校生は3%、さらに実際に「薬物の誘いを受けた」と回答した高校生が1%いました。 (2015年12月20日読売新聞から抜粋)

 

主な違法薬物について

主な違法薬物、隠語・絵や絵文字、反応(脳への作用)を一覧にしました。

主な違法薬物 隠語・絵や絵文字 反応
(脳への作用)
覚醒剤 スピード、エス、シャブ、クリスタル、アイス、氷、アイスクリームや氷の絵文字 など アップ系
(興奮)
大麻 野菜、草、ハッパ、リキッド、グラス、チョコ、ハッシュ、ブロッコリーや蜂蜜の絵 など ダウン系
(抑制)
ヘロイン ペー、ジャンク、チャイナホワイト など ダウン系
(抑制)
コカイン コーク、クラック、スノウ、チャーリー、チャリ、自転車、自転車の絵 など アップ系
(興奮)
幻覚剤
(MDMA)
(LSD)
エクスタシー、アシッド、バツ、×、罰、タマ、弾、玉、赤いバツ印の絵 など アップ系
(興奮)
危険ドラッグ アロマ、お香、合法ハーブ、脱法ドラッグ など 薬物により異なる
(興奮 or 抑制)

 

大事なことは・・・

「違法薬物に近づかない手を出さない
「違法薬物から逃げる

 

近年、大麻に関する検挙件数が増加している

違法薬物には近づかない、絶対に手を出してはいけませんが、近年、10~20歳代を中心に大麻に関する検挙者数が増加しており、大きな問題になっています。

薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」(公益財団法人 麻薬・覚せい剤乱用防止センター)

NEWS LETTER を読んでみよう。第106号(2022年3月発行) pp28-29には、近年、若年層を中心に検挙者数が増加している大麻に関するトピックス「大麻乱用者の実態」が載っています。

 

合法=安全 というわけではない!

大麻について、「〇△(国名)で大麻解禁!」のように海外での合法化がネットニュースなどで紹介されたり、「何で日本は大麻を合法化しないの?」「合法化している国があるくらいだから、大麻は大丈夫でしょ!」などSNSで話題に上がることがあります。
本当に大麻は大丈夫(安全)なのでしょうか?

嗜好用の大麻を合法化している国は、世界で4カ国のみです。(2024年4月1日現在)
そのうちの1つカナダでは2018年10月、嗜好用大麻について成人(18歳以上)の所持と使用が合法化されました。
なぜ合法化されたのでしょうか?

〔カナダで大麻が合法化された主な理由〕
・カナダにおける若者の大麻使用率がもともと高かったため
・大麻の違法取引による収益(お金)が犯罪組織に渡るのを阻止するため
(合法化することでお金の流れが明確になり、犯罪組織に渡るのを防ぐことができるため)

一方でカナダ政府は、大麻の安全性については依然として慎重になるべきと述べています。
つまり嗜好用大麻の合法化を進めた国でさえ、大麻は危険な薬物であると認識しているのです。

 

日本における大麻、大麻の成分と“医療用大麻”

大麻草は日本では昔から繊維や種子を得るために栽培され、麻(アサ)や大麻(オオアサ)と呼ばれてきました。
繊維は服、袋、しめ縄などを作るために、種子は七味唐辛子の成分の一つとして、また麻子仁(マシニン)という便秘の治療薬として用いられてきました。
現在は大麻取締法(タイマトリシマリホウ)という法律が定められていることもあり「タイマ」と呼ばれています。
現在、大麻取締法により大麻草を許可なく栽培したら罰せられます。
また、種子は芽が出ないように処理されています。

大麻草には100種類以上の成分が含まれており、主要なものはTHC(テトラヒドロカンナビノール)であり、他にCBD(カンナビジオール)というものも含まれています。
THCには幻覚作用などがあり精神的依存が生じやすいことから、嗜好用大麻として大麻取締法による取り締まり対象となっています。

一方、CBDには幻覚作用がなく精神的依存が生じにくいことから、大麻取締法による取り締まりの対象となっていません。
CBDは米国や欧州などでは通常の治療薬が効かない「難治性てんかん」の治療薬として使用されていることから、“医療用大麻”とも呼ばれています。
日本では現在、CBDを「難治性てんかん」の治療薬として使用できるように法整備などを進めています。
誤解しないでほしいことは、日本でCBDが治療薬として使用されるようになっても大麻が安全になったわけではないということです。

 

CBD製品の購入はやめましょう

CBDは大麻取締法による取り締まりの対象となっていないため、リラックス効果などをうたい、CBDを含む製品(食品、サプリメント)が日本でも出回っていますが全て海外からの輸入品です。
その理由は、日本では大麻取締法によってCBD製品が作れないからです。

実はこれまで、輸入されたCBD製品の中に規制対象のTHCが混ざっていたことが何度も見られています。
THCが混ざったCBD製品を所持していたら大麻所持と同じ、摂取したら大麻摂取と同じことになります。
そのためCBDの摂取はもとより、CBD製品の購入はやめましょう

 

参考:
・現代高等保健体育(大修館書店)
薬物乱用防止読本 健康に生きよう パート37(厚生労働省)
・厚生労働省HP(厚生科学審議会 医薬品医療機器制度部会 資料、2022年8月5日および2024年2月9日
・外務省HP(海外安全性情報)
カナダ政府(https://www.canada.ca/en/health-canada/programs/consultation-toward-legalization-regulation-restriction-access-marijuana/discussion-paper-introduction.html)

 

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