2020年2月号(高1)「トクホやサプリメントなどは、本当に必要? 君たちには必要ない!!」
※解説やもっと知ってほしいことなどは、ドラッグレターの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
テレビや雑誌、インターネットなどで“サプリメント”や“健康食品”などが「とっても身体に良い」「健康的な生活を送れる」「活力が湧いてくる」のように宣伝されていますが、あなたにとって本当に必要でしょうか・・・?
保健効果を期待させる食品を手っ取り早く口に放り込む方が効率的と感じられるかもしれませんが、『健康食品』は危険もはらんでいます。
バランスのとれた食事をとり、適度に体を動かし、十分な休養を心掛けていれば、サプリメントや健康食品などは必要ないのです。
サプリメントとは
サプリメントとは、いわゆる『健康食品』というものにあたり、栄養補助食品、健康補助食品などの名前がつけられた食品もあります。これらは製造・販売業者が勝手に付けた名称で、国が効果などを審査したものではありません。また、保健効果(どのような効果があるのか)を表示することを国から認められていないため、「本人の感想です」などのように言って、効果を直接表示しないようにしているのです。
『健康食品』には錠剤やカプセル状のものが多いため、医薬品のようにも見えてしまいますが、医薬品とは全くの別物。そもそも病気の人向けではないので、摂取すれば身体の不調が治ったり予防できるなんてことはありません。
また過去には、表示されている成分がほとんど含まれていなかったり、有害な物質が混ざった製品が出回ったこともあります。『健康食品』は“食品”と名が付いているから大丈夫と思ってしまいがちですが、実は健康被害も多く発生しています。
スポーツ選手用のサプリメントも売られていますが、ドーピング検査に引っかかってしまう成分が混入しているものもあります。本当に摂取が必要なのか、摂取するならどれが安心なのか、スポーツファーマシスト(「 相談薬局 」の中にいます)に相談してみましょう!
国が保健効果の表示を認めている食品があります
保健効果(どのような効果があるのか)の表示を国から認められている食品には、『特定保健用食品(トクホ)』『栄養機能食品』『機能性表示食品』の3つがあります。『健康食品』に比べると安心ですが、やはり注意が必要なものもあります。
『機能性表示食品』は、販売する企業が効果があることを示した科学論文を消費者庁に届け出れば『機能性表示食品』と名乗って販売できるというもの。しかし、いい加減な科学論文を出す企業もあるなど、3つの中では最も注意が必要な食品です。
『栄養機能食品』は、決められた種類のビタミンやミネラルが、決められた量だけ含まれていれば『栄養機能食品』と名乗って販売できるというもの。しかし注意も必要で、例えばお菓子のアメであっても、決められた種類のビタミンが決められた量だけ含まれていれば『栄養機能食品』と名乗れるので、ビタミンを摂取したいあまりアメをたくさんなめたら、糖分の過剰摂取につながってしまいます。
『特定保健用食品(トクホ)』は3つの中では、信頼度・安心度が高い食品です。しかし大量摂取、長期間の摂取はいけません。バランスのとれた食事をとり、適度に体を動かし、十分な休養を心掛けていれば、そもそも摂取の必要はありません。