2020年9月号(高2)中高生の睡眠は最低でも7時間必要
※解説やもっと知ってほしいことなどは、ドラッグレターの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
睡眠時間
中高生の望ましい睡眠時間は8~10時間。最低でも7時間は必要です。
週末の朝、遅くまで寝ていませんか?
週末の朝に2時間以上起きるのが遅くなっているとしたら、それは平日の睡眠時間が足りていない証拠です。
体内時計
ヒトの「体内時計」の周期は24時間より少し長め(24.3~24.5時間)なので、そのままにしておくと実際の時間との差が大きくなっていきます。
しかし起床後、日光を浴びたり、朝ごはんを食べることで体内時計が早まり、24時間に調整されます。調整されることで、実際の時間とのずれが解消されます。(毎日、調整しましょう)
ヒトの体内時計には、日中に活動して夜は眠るといった行動パターンをとる前提で、体の様々な働き(睡眠リズムやホルモンの分泌、体温調節など)が大体決まった時刻に作動するようプログラミングされています。
そのため調整されないと時差ぼけ状態になり、心や体がベストな状態にならず、勉強やスポーツなどで自分の力を最大限に発揮できなくなってしまいます。
起床時刻が遅いと体内時計のリズムが夜型化し、翌週前半、日中の眠気(時差ぼけ状態)を引き起こします。
週末の夜ふかしも体内時計のリズムを夜型化し、翌週前半、日中の眠気を引き起こします。
平日も休日も同じリズムで生活することが大切。起床および就寝の時刻が2時間以上ずれないようにしましょう。
(「学校がある日とない日で起床時刻が2時間以上ずれることがよくある子どもほど、午前の授業中に眠くて仕方がないことがよくある」との調査結果があります)
15時以降に仮眠したり、寝る前にブルーライト(スマホやゲーム機、パソコンなどの画面から出ています)を浴びても、体内時計のリズムが夜型化してしまいます。
メラトニン
日が沈んで夜になると「メラトニン」(睡眠を促すホルモン)が分泌され、脳や体が活動モードから休息モードに切り替わり、体温、心拍、血圧などが低下します。つまり体は眠りに入る準備をするのです。
寝る3~4時間前に軽い運動で体温を上げておくと、ちょうど寝る頃に体温が下がり、寝付きやすくなります。
寝る前に激しい運動をすると、脳や体は再び活動モードとなり、体温、心拍、血圧などが上昇し、なかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目が覚めるなど、睡眠の質が低下します。寝る前に激しい運動はしないようにしましょう。
日中の活動による適度な疲労感は、質の良い睡眠につながるので、しっかりとした運動は夕方までに済ませておくとよいでしょう。
レム睡眠とノンレム睡眠
・レム睡眠:眠りの浅い状態。脳は起きていて、実は眼球も動いています。
・ノンレム睡眠:眠りの深い状態。脳も寝ていて、眼球も動きません。
寝付いてから最初に現れるのは(1)ノンレム睡眠です。
その次に(2)レム睡眠が現れます。
その次は(3)ノンレム睡眠、さらにその次は(4)レム睡眠・・・というように交互に現れます。
(寝付いてからの90分間で(1)~(2)が現れ、次の90分間に(3)~(4)が現れます)
寝付いてから最初の90分間に現れるノンレム睡眠は、その後に何回か現れるノンレム睡眠と比べ、眠りの深さは最大となります。
この時の深さが十分であれば成長ホルモンがたくさん分泌され、また脳をしっかり休ませられます。
しかし、体内時計がずれていたり、寝る前に激しい運動をしたりすると、寝付きが悪く、また眠りの深さが足らなくなります。
深さが足らないと成長ホルモンはたくさん分泌されず、また脳をしっかり休ませられません。
レム睡眠の時に夢を見ます。
記憶の整理・定着を行う過程で夢を見ると言われています。
成長ホルモン
身長を伸ばすホルモンとして有名ですが、体の成長だけでなく、代謝を活発にして体の修復を早めるなどの働きもあるホルモンです。
そのため子どもだけでなく、大人でも分泌されるホルモンです。
(成長ホルモンの分泌量:思春期前半を100%とした場合、思春期後半は200%、30~40歳台は50%、60歳では30%くらいです)
参考:ファイザー株式会社HP