2021年1月号(高2)花粉症対策
※解説やもっと知ってほしいことなどは、ドラッグレターの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
なぜ花粉症になる?
花粉(抗原)が体に入ると、免疫反応により花粉に対する抗体が作られます。抗体を「コップにたまる水」に例えると、花粉症になるまでを“アレルギーコップ説”という考え方で説明することができます。
人はそれぞれ大きさ(容量)の決まったコップを持っていて、花粉を体内に取り込むたび、コップに水(=抗体)がたまっていきます。コップが水でいっぱいになり水があふれた時、花粉症になります。
体質や生活環境、どのような食生活を送っているか、ストレスの有無などによって人が持つコップの大きさには個人差があり、水がたまるまでの期間は人それぞれです。そのため、今のところ花粉症でない人でも、コップ内の水の量が増えていけば、いつか水があふれ花粉症になる可能性があります・・・。
今のところ花粉症でない人も、花粉の飛散量が多い日には外出時のマスク着用や帰宅時の手洗い・うがいを心がけ、体内に花粉をできるだけ取り込まないようにしましょう。
花粉症の治療法
花粉症の治療法は、(1)対症療法 と (2)原因療法 の2つに大きく分けられます。
(1)対症療法には、予防的に医薬品を使用して花粉症の症状がひどくならないようにしておく治療法と、症状がひどくなった時に医薬品を使用して症状を和らげる治療法があります。対症療法は花粉症を完全に治すのではなく、あくまで一時しのぎの治療法です。これに対して原因療法は花粉症を治すことができる治療法で、治療に成功すると花粉が体内に入っても症状は出なくなります。
対症療法の治療薬は、医療機関(耳鼻咽喉科、内科、アレルギー科、眼科)を受診して処方してもらう以外に、薬局やドラッグストアで処方せんなしで買うことができます。治療薬には様々な種類があるため、どの医薬品を使用したらよいのか迷ってしまうほどです。特に初めて治療薬を購入する時、また使用している治療薬の効果が不十分だったり、副作用で困っている場合は、必ず薬剤師に相談しましょう。
(2)原因療法として2014年、スギ花粉症を治すことができる治療薬(医療機関を受診して処方してもらう医薬品)が登場しました。この医薬品にはスギ花粉エキスが含まれています。治療はスギ花粉エキスを少量ずつ体内に入れ、あえて体に負荷をかける方法(『舌下免疫療法』や『減感作療法』と言われる治療法)です。治療期間は2年以上と長く、毎日飲み続けることが必要となるため、「スギ花粉症を絶対に治したい!」という強い意志が必要です。詳しく知りたい方、治療を受けたい方は医療機関(耳鼻咽喉科、内科、アレルギー科)を受診してください。