2022年3月号(高2)美容と安全、どちらを優先する?
※解説やもっと知ってほしいことなどは、ドラッグレターの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
「美」は永遠のテーマですが、「美」を追究するあまり体に大きな負荷がかかると様々なトラブルが起こり、かえって「美」から遠ざかってしまいます。
本当の「美」は内面からにじみ出てきます。
まず内面を磨き、その上で美容(※)の際は危険性も考える必要があります。
(※)美容の定義:パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること。(美容師法より)
美容に関するトラブルは多い
独立行政法人 国民生活センターが公表している商品テストの結果(https://www.kokusen.go.jp/category/test.html 「注目情報」 → 「商品テスト」 → 「注意喚起のためのテスト」)を見ると、美容に関するものが少なくないことが分かります。
- 「セルフエステ」の契約は慎重に検討しましょう!-安さ、手軽さが強調されている一方で、危害や解約トラブルが発生しています-(2020年2月13日:公表)
- 除毛剤の使用による顔などの皮膚障害に注意!-使用部位を確認し、1回分を購入して肌に合うか試してから使いましょう-(2019年12月19日:公表)
- メイク落としでは落としにくい、二重まぶた用接着剤(相談解決のためのテストから No.135)(2019年11月21日:公表)
- まつ毛美容液による危害が急増!-効能等表示の調査もあわせて実施-(2019年8月8日:公表)
- なくならない脱毛施術による危害(2017年5月11日:公表)
- 美容を目的とした「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品-若い女性に危害が多発!安易な摂取は控えましょう-(2017年7月13日:公表)
- つけ爪やまつげエクステンションに使用する接着剤に関する商品テストを実施しました!(2017年4月11日:公表、東京都が実施したもの)
- エステサロン等でのHIFU機器による施術でトラブル発生!-熱傷や神経損傷を生じた事例も-(2017年3月2日:公表)
- 美容用具で肌が引っぱられて傷(相談解決のためのテストから No.92)(2016年2月12日:公表)
- 後を絶たない、まつ毛エクステンションの危害(2015年6月4日:公表)
国民生活センターが公表しているものは、人の生命・身体などに重大な影響を及ぼす商品や、品質・表示などに問題のある商品のテスト結果であるため、軽微なものも含めればトラブルはかなり多いと認識すべきです。
皮ふトラブルの起こりやすさ
・皮ふの弱い人、乾燥肌の人、アトピーの人は皮ふトラブルが起こりやすい!
・四季の中では、皮ふが乾燥しやすい冬にトラブルが起こりやすい!
・皮ふトラブルの多い部位は、皮ふが最も薄い「まぶた」! (「まぶた」は皮ふが薄いため角質層も薄く、バリア機能が弱い)
アナフィラキシーとは
アレルギーを起こす原因物質である抗原 (アレルゲン) が体内に侵入後、免疫が過剰に働き、5~30分で全身に症状が出る強いアレルギー反応のこと。(症状:体中に赤み・ぶつぶつが出る、顔が青白くなり立っていられない、ゼーゼーする呼吸など)
食品(小麦、そば、卵の白身など)、ハチ毒、医薬品、ラテックス(天然ゴム由来の成分)などがアレルゲンになりやすいことが分かっています。
初めてアレルゲンを食べたり、アレルゲンに触れた時、いきなりアナフィラキシーが起こることはまれで、たいていは軽いアレルギー反応のみです。
しかし体は、アナフィラキシーがいつでも起こってしまう準備段階になってしまうのです。
これを専門用語で感作(かんさ)といいます。
ハチに刺された場合、1回目よりも2回目以降の方が危ないと言われているのは、そのためです。
アナフィラキシーが重度の場合、ショック状態(全身の臓器・組織への血流が悪くなる生命危機の状態)になり、死に至ることがあります。