2024年11月号(高2)アナフィラキシーが起こったときの対処法
※解説やもっと知ってほしいことなどは、ドラッグレターの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
アナフィラキシーとは
アレルギーを起こす原因物質である抗原 (アレルゲン) が体内に侵入後、免疫が過剰に働き、5~30分で全身に症状が出る強いアレルギー反応のこと。
食品(小麦、そば、卵の白身など)、ハチ毒、医薬品、ラテックス(天然ゴム由来の成分)などがアレルゲンになりやすいことが分かっています。
初めてアレルゲンを食べたり、アレルゲンに触れた時、いきなりアナフィラキシーが起こることはまれで、たいていは軽いアレルギー反応のみです。
しかし体は、アナフィラキシーがいつでも起こってしまう準備段階になってしまうのです。
これを専門用語で感作(かんさ)といいます。
ハチに刺された場合、1回目よりも2回目以降の方が危ないと言われているのは、そのためです。
アナフィラキシーが重度の場合、ショック状態(全身の臓器・組織への血流が悪くなる生命危機の状態)になり、死に至ることがあります。
エピペン
食品やハチ毒などにアレルギーを持つ人は、『エピペン』という注射薬を自分で持っている、もしくは学校の保健室などで保管しています。
アナフィラキシーが重度の場合、放置すると死に至ることがあります。
そのため医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に遅くし、ショック状態になることを防ぐため『エピペン』が必要になります。
・体中に赤み、ぶつぶつが出る
・くしゃみや強い咳が出る
・顔が青白くなり、立っていられない
・ゼーゼーする呼吸
・腹痛、吐き気
などの症状が複数同時に現れたらショック状態になりやすいので、直ちに『エピペン』を注射し、その後すぐに救急車を呼びましょう。
『エピペン』は、周囲の人が本人に注射してあげてもかまいません。
『エピペン』を注射する場所は太ももの前面から外側に約45度の部分で、ズボンの上からでも注射できます。
アナフィラキシーかどうか迷ったら、『エピペン』を注射してください。
ショック状態までならない人に『エピペン』を注射しても健康被害はないか軽微なので、死に至るよりマシと考え、ためらわず『エピペン』を注射してください。
<『エピペン』の使い方>
1. 準備
携帯用ケースのカバーキャップを指で押し開け、『エピペン』を取り出します。
オレンジ色のニードルカバー(針カバー)を下に向けて、『エピペン』のまん中を片手でしっかりと握り、もう片方の手で青色の安全キャップを外してロックを解除します。
(オレンジ色のニードルカバーの先端に指などを当てると針が出てくるため、絶対に当てないでください。)
2. 注射
エピペンを太ももの前外側の部分(太ももの前面から外側に約45度の部分)に、さらに太ももに対して垂直になるようにした後、オレンジ色のニードルカバーの先端を太ももに「カチッ」と音がするまで強く押し付けます。
太ももに押し付けたまま数秒間待ち、その後、『エピペン』を太ももから抜き取ります。
(緊急時は、衣類の上から太ももに注射してください)
3. 確認
注射後、オレンジ色のニードルカバーが伸びている(長くなっている)かどうかを確認します。
ニードルカバーが伸びていれば注射は完了です(針はニードルカバー内にあります)。
4. 片付け
使用済みの『エピペン』は、オレンジ色のニードルカバーの方から携帯用ケースに戻します。
(注射後は、オレンジ色のニードルカバーが伸びているため、携帯用ケースのふたは閉まりませんので、無理に閉めようとしないでください)
以下のサイトから、動画を視聴することができます
(VIATRIS HP エピペンサイト https://www.epipen.jp/top.html)