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2023年7月号(高3)食物アレルギー表示 ~対象品目と表示方法~

※解説やもっと知ってほしいことなどは、ドラッグレターの下に書いてあります。

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解説やもっと知ってほしいことなど

食物アレルギーとは

食物を摂取したときに、食物に含まれるタンパク質などを体が異物と認識し、自分の体を過剰に防御することで不利益な症状を起こすことです。
主な症状は、かゆみ・じんましん、唇の腫れ、まぶたの腫れ、嘔吐、咳・ぜん息などです。
意識がなくなる、血圧が低下してショック状態になるなどの重篤な症状(アナフィラキシーショック)になる場合もあり、最悪の場合、死に至ることもあります。

 

アレルゲンとは

アレルゲンとは、アレルギーの原因となる物質(抗原)のことです。食べ物のほかに、花粉、ほこり、ダニ、金属、ハチ毒、医薬品、ラテックス(天然ゴム由来の成分)など様々な物質がアレルゲンになりやすいことが分かっています。
食物アレルギーのアレルゲンで、特に注意が必要な食物を特定原材料と言います。また、特定原材料に次いで注意が必要な食物を特定原材料に準ずるものと言います。

 

表示の対象となるアレルゲン

2023年4月現在

表示 用語 品目
義務 特定原材料
(8品目)
・えび ・かに ・くるみ ・小麦 ・そば
・乳 ・卵 ・落花生(ピーナッツ)
推奨 特定原材料に
準ずるもの
(20品目)
・アーモンド ・カシューナッツ ・まつたけ
・やまいも ・ゼラチン ・大豆 ・ごま
・オレンジ ・りんご ・キウイフルーツ
・バナナ ・もも ・牛肉 ・豚肉 ・鶏肉
・いか ・さけ ・いくら ・さば ・あわび

 

食物アレルギー表示について

スーパーやコンビニなど、お店で販売される食品は、食品表示法にしたがって食物アレルギー表示をしなければいけないことになっています。
食物アレルギー表示の対象食品、表示の対象とならない食品は、以下のとおりです。

【食物アレルギー表示の対象食品】
・容器包装されたアレルゲンを含む加工食品および添加物

【食物アレルギー表示の対象となっていない食品】
・容器包装に入れずに販売する食品(ばら売りや量り売りなど)
・設備を設けて飲食させる食品(飲食店で提供される食品、出前など)
・酒類

 

食物アレルギー表示の方法

<個別表示>基本的な表示方法)
特定原材料などを原材料として含むこと、または食品に含まれる添加物が特定原材料などに由来することを、原材料名または添加物の物質名の直後に括弧( )を付けて表示します。

(例) マヨネーズ(卵を含む)、チョコレート(乳成分を含む)

<一括表示>(例外的な表示方法)
表示可能面積の都合などにより個別表示で表示できない場合や、個別表示がなじまない場合は、一括表示することが認められています。
一括表示をする場合は、その食品に含まれる全ての特定原材料などについて、原材料欄の最後(原材料と添加物で事項欄を分けて表示する場合は、それぞれ原材料欄の最後と添加物欄の最後)に「(一部に〇〇・〇〇を含む)」と表示します。
なお、個別表示と一括表示を組み合わせて表示することは認められていません。

 

誤解されやすい成分

乳化剤 乳は含まれていません。
水や油など混じり合わないものを均一にする働きがあります。
乳酸 乳は含まれていません。
牛乳から見つかった「酸」であることから乳酸と呼ばれる。
乳酸菌 乳は含まれていません。
発酵によって糖から乳酸を作る、酸素がなくても増殖できる微生物の総称。
腸内で悪玉菌が増えるのを抑え、腸内環境を整える働きがあります。
カゼイン 乳が含まれています。
カルシウムの吸収を助ける働きがあるタンパク質です。
ホエイタンパク質 乳が含まれています。
牛乳からカゼインや脂肪を取り除いた後に残る液体部分に含まれています。
卵殻カルシウム 卵が含まれています。
卵の殻を原料としたカルシウムです。含まれている卵の量は微量ですが、念のため、摂取する際は医師に相談してください。
レシチン 卵もしくは大豆が含まれています。
脂質の一種です。(卵由来)と表示されている場合は卵、(大豆由来)と表示されている場合は大豆が含まれています。
麦芽糖 小麦が含まれているものと、そうでないものがあります。
少し甘くしたり、スープなどを固まりにくくする働きがあります。
とうもろこしやじゃがいものデンプンから作られるものと、小麦から作られるものがあります。
小麦を含むものは麦芽糖(小麦由来)と表示されています。
麦茶 小麦は含まれていませんが注意してください。
煎じた大麦の種子から水で成分を抽出して作られた飲み物で、小麦と直接関係はないため、飲用できることが多いです。
しかし、重度の小麦アレルギーの場合、気をつける必要があります。

 

参考:加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック(消費者庁;令和5年3月)

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