2020年1月号(中3)「冷え性対策」
※解説やもっと知ってほしいことなどは、おくすりナビの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
冷え性に対する決定的な対策は残念ながらありませんが、ひとつひとつの対策をしっかり行うことが大切です。
体の中心を温めて、手足にも熱を行き渡らせる対策
・食事をしっかりとる: 食事をとると消化のために胃や腸が活発に動くため、体の中心が温まります。また、食べたものを代謝する際に生じる発熱も体を温めます。
・食べないダイエットはしない: 食事をとらないと胃や腸が活発に動かないため、体の中心が温まりにくくなります。きちんと食べながら、運動によって筋力をつけて脂肪を減らすのが正しいダイエット。食べないダイエットは方法としても不適切なのです。(食事では偏りがないように、糖質(炭水化物)、タンパク質、脂質の他、無機質やビタミンをバランスよく摂りましょう)
・腹巻きやカイロを利用してお腹を温める: 外側からお腹を温める方法です。胃よりも腸を温めるとよいため、下腹部を温めると効果的です。
・筋肉をつける: 筋肉量が多いと基礎代謝(※)が上がって発熱量が多くなり、温まりやすくなります。
・シャワーだけでなく、お風呂に長めに入る: シャワーだけでは体の中心がなかなか温まりません。湯船につかって体の中心をしっかり温めましょう。
(目安:38~40℃程度のお湯に15~20分程度。額や頭皮がうっすらと汗ばんできたら、お湯から出ましょう)
※ 基礎代謝:生命活動の維持に必要な最低限のエネルギーのこと。中学生では、
男子: 1,500~1,600 kcal程度
女子: 1,300~1,400 kcal程度 です。
筋肉量が増えると多くのエネルギーが消費されて発熱し、温まりやすくなります。
冷えている手足を温める対策
・締めつける下着や衣服は避ける: 血管が圧迫されて血行が悪くなり、手足が冷えやすくなります。体の中心の熱が手足に行き渡るよう、血行を良くすることが大切です。
・くつ下やタイツ、ひざ掛けなどを利用して足下を温める: 人の体は寒さを感じると(冷えると)、体の中心を冷やさないようにするため、冷たい血液が体の中心にできるだけ流れ込んでこないように手足の血管を狭くしてしまいます。血管が狭くなると体の中心から温まった血液が手足に流れにくくなってしまい、悪循環になります。そのため、手足を温めることで血管が広がって血行が良くなり、体の中心から温まった血液が流れてきて手足が温まってきます。手よりも足(下半身)を温めた方が効果的なのは、手よりも足(下半身)の方が冷える面積が大きいためです。
汗をかくと体は冷える
体が必要以上に温まると汗をかきますが、汗をかくと、汗が蒸発するときに体の熱を奪うため、結果的に体が冷えてしまいます。必要以上に体を温めないことも大切です。
参考:日本医師会HP