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2021年5月号(中3)日焼け止めの選び方・塗り方・落とし方

※解説やもっと知ってほしいことなどは、おくすりナビの下に書いてあります。

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解説やもっと知ってほしいことなど

紫外線(UV)を浴びすぎると、人の健康に影響が出てきます。昔、日焼けは“健康的”と言われていましたが、本当は、体が紫外線による被害を防ごうとする“防御反応”なのです。
体はメラニンをたくさん作って皮ふを黒くし、日焼けを防ごうとしますが、その効果は弱くSPF 4程度です・・・。

UVB、UVAの特徴

UVB
・UVBは皮ふ表面に作用します。
皮ふのシミやそばかすの原因になる紫外線です。
体の中でビタミンDを作るのに必要な、ありがたい紫外線でもあります。
・大量・長時間浴びると皮ふが赤くなってヒリヒリし(サンバーン)、この時メラニンがたくさん作られます。数日後、作られたメラニンが表皮に沈着してくることで皮ふが黒くなります(サンタン;二次黒化)。
・ガラスをほとんど透過しないので、ガラス越しに浴びてもサンバーンは起こりませんが、ビタミンDも作られません

UVA
・皮ふ表面よりも深いところ(真皮)まで届きます。
皮ふのシワやたるみの原因になる紫外線です。
・UVAを浴びると短時間で皮ふがわずかに黒ずみます(一次黒化)。これは既に皮ふに存在していた無色のメラニンが黒ずむためですが、黒ずみは数時間で消失します。
大量・長時間浴びてもサンバーンは起こりませんが、サンタンは起こります
・ガラスを透過するので、ガラス越しに浴びているとサンタンを引き起こし、また皮ふのシワなどにもつながります。(UVカットガラスであれば透過しません)

体の中でビタミンDが作られるのに必要な条件と時間

目安1:
皮ふの25%(概ね、両腕と顔に相当)を露出した状態で、東京都心で8月1日の昼ごろ、雲が少しある晴れた日であれば3分間、UVBを浴びる。

目安2:
皮ふの12%(概ね、顔と手に相当)を露出した状態で、東京都心で1月1日の昼ごろに、雲が少しある晴れた日であれば約50分、UVBを浴びる。

PA・SPF、ケミカルタイプ・ノンケミカルタイプ

PA
UVAのカット率を表したもの。+ ~ ++++ の4段階。

SPF
UVBが皮ふに当たり始めてから、日焼けのダメージを受け始める(皮ふが赤くなる)までの時間(目安)を示したもの。SPF1あたり約20分なので、SPF30の場合はUVBを浴びてからダメージを受け始めるまでの時間を30倍、つまり約600分遅らせることができます。

ケミカルタイプ(紫外線吸収剤が主成分)
効果:UVを吸収して皮ふへのダメージを和らげる
特徴:UV防止効果は高いが持続時間は短い、透明性が高いので白く残らない、敏感肌には向かないなど
成分:メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、エチルヘキシルトリアゾンなど

ノンケミカルタイプ(紫外線散乱剤が主成分)
効果:UVを散乱させて皮ふへのダメージを和らげる、UVを吸収する能力もある
特徴:紫外線吸収剤より効果は低い、白く残る、敏感肌でも安心
成分:酸化チタン、酸化亜鉛など

「PA++++、SPF51+ にしておけば、どんな生活シーンでも大丈夫!」などと安易に考えてはいけません。効果が高い製品ほど皮ふへの負担は大きくなります。(炎天下でのレジャーなどに用いられる製品の多くに紫外線吸収剤が用いられているため。さらに耐水性(ウォータープルーフ)の場合は、落ちにくいことが仇となり皮ふを痛めやすいため)
また過度に日焼けを恐れるあまり、日焼け止めを使いすぎると、肌荒れなどのトラブルを招くこともあります。
生活シーンや自分の肌に合った製品を選び、日常生活の中で“適宜”使っていくことが大切です。

注意:日焼け止めで皮ふがかぶれたり、強いかゆみが生じたら、使用を中止してください。

日焼け止めの塗り方

・戸外に出る前に塗ります。
・日焼け止めと化粧を塗る場合は、日焼け止めを先に塗ります。
らせんを描くようにやさしく塗ります。
・顔:液状製品なら1円玉の面積分、クリーム状製品なら真珠1個分を手にとり、顔の5点に置いてからムラなく塗ります。(←これら操作を合計2回行います)
・腕など:容器から腕などに直接、直線状に出して、手で広げてもよいです。
・「日焼け止めを1回ムラなく塗ったら、もう大丈夫」と思っていませんか? 塗った後、汗をかいたり衣服がすれたりすると、ムラができたり、落ちてしまいます。

日焼け止めが皮ふの上に、ムラなく、しっかり乗っかっていていなければ期待する効果は得られません。
そのため2~3時間ごとに塗り直しましょう。

日焼け止めの落とし方

・夜、石けんなどでやさしく落とします。
・耐水性(ウォータープルーフ)は落ちにくいので、クレンジングオイルなどを使い、オイルに溶かすイメージでやさしく落とします。
・落とすときに強くこすると、肌荒れやかぶれなどが起こりやすくなるので注意してください。
・乾燥肌の人、日焼け止めをよく使用する人は、落とした後に保湿ケアを行いましょう。

参考:環境省 紫外線環境保健マニュアル2015 [1.4 MB]、長野県医師会HP、トコトンやさしい化粧品の本 第2版(日刊工業新聞社)

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