2022年10月号(中3)室内のアレルゲンを除去してアレルギー予防を!
※解説やもっと知ってほしいことなどは、おくすりナビの下に書いてあります。
解説やもっと知ってほしいことなど
室内で体に入るアレルゲンを減らすために
アレルギー持ちの人は、アレルゲン(ダニの死骸やフン、花粉など、アレルギーの原因となるもの)が少量でも体に入るとアレルギー症状が現れます。
アレルギー持ちでない人も、一度に多量に、あるいは少量のアレルゲンが長期間にわたり体に入るとアレルギーを発症します。
屋外では不織布マスクやゴーグルを付けることにより、体に入るアレルゲンの量を減らすことができます。
室内では掃除をすることにより、体に入るアレルゲンの量を減らすことができます。
掃除の仕方
ホコリやアレルゲンは目で見えないほど小さく、見えるくらい溜まると、わずかな風でアレルゲン単独で、またはホコリに絡まって室内にたくさん舞い上がります。
舞い上がったアレルゲンは目や鼻、口から体に入ってアレルギー症状が現れることがあります。
このようなことをできるだけ防ぐには、ホコリやアレルゲンが溜まらないように、こまめに掃除をすることが大切です。
掃除の基本は、「上から下に向かって(上から順番に)」「ホコリやアレルゲンをできるだけ舞い上がらせないように」です。
掃除中は窓や戸を大きく開けて、しっかり換気も行いましょう。※1
掃除中は、ていねいに掃除をしてもアレルゲンが舞い上がるため、アレルギー持ちの人は不織布マスクやゴーグルを付けましょう。
※1 インターネットサイトやSNSなどで「掃除中はホコリなどが舞い上がらないよう窓を閉め、掃除後に換気を行いましょう」などと紹介されているものがありますが、これは全く空気の流れがなく換気が期待できない場合の掃除の仕方です。
掃除中に掃除をしている人が少しでも動けばわずかな風が発生し、ホコリなどが舞い上がってしまいます。
空気の流れがあって換気が期待できる場合は、舞い上がったホコリなどは室外に出て行きやすくなるため、窓や戸を大きく開けながら、ホコリなどをできるだけ舞い上がらせないように掃除をしましょう。
ダニアレルギー、花粉症の治療
ダニアレルギーとスギ花粉症を根治※2する治療法として、治療薬(舌下錠※3)を毎日、舌の下に1分間保持してから飲み込み、少しずつ免疫を作っていく舌下免疫療法があります。
舌下免疫療法や皮下注射などによって、少しずつ免疫を作っていく治療法を減感作療法※4と言います。
詳しい治療法や注意点などを知りたい人は、医師や薬剤師などの専門家に聞いてください。
※2 根治(こんじ(こんぢ、こんち)):病気などを根本から完全に治すこと。または治ること。
※3 舌下錠:舌の下で溶かし、成分を口腔粘膜から吸収させる錠剤。
※4 減感作療法と治療期間:減感作療法とは、ごく少量のアレルゲンを意図的に体内に入れて体を慣れさせ、アレルギー症状が現れないようにする体質改善のような治療法です。
治療期間は2年以上(主に3~5年)かかるため、根気が必要です。
<ダニアレルギーの場合>
コナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニから抽出したエキスを成分とする「ミティキュア」という医薬品を用います。
ダニによるアレルギー性鼻炎を起こさない体質にします。
<花粉症の場合>
スギ花粉エキスを成分とする「シダキュア」という医薬品を用います。
スギ花粉によるアレルギーを起こさない体質にします。